ココロといっぱい #8「すーぱーむーちゃん」
ココロSSの第8話。
今回はついに、あのすーぱーむーちゃんが登場です。
今回はついに、あのすーぱーむーちゃんが登場です。
ココロちゃんは自分の家族について話したりしない。
僕も妖精だからというのもあってか、訊ねてみようともしない。
だけどある日、ココロちゃんの友人(?)が、僕の前にやってくるとは・・・
大学とアルバイトから帰ってきたシン。そこで彼はとんでもない光景を目撃した。
彼の眼の前にいたココロは、いつものココロではなかった。いつもの明るさがまるで感じられず、眼も焦点があっていなかった。
「コ、ココロちゃん!?・・どうしたっていうんだ・・・!?」
シンが声をかけるが、ココロは無反応である。
「おかしい・・あまりにもおかしすぎる・・いつも元気なココロちゃんが、ここまで元気がないなんて・・・」
ココロの異変に困惑するシン。そのとき、シンはココロの頭に何かがついているのを発見する。木の棒のようだった
「あれは・・?」
シンはココロに近づき、その正体を確かめる。彼が近くにいるにもかかわらず、ココロは反応を示さない。
「ココロちゃん、ちょっとだけ我慢してて・・」
シンは呼びかけると、ココロの頭についている木の棒を引っ張る。彼が力を込めると棒は彼女から引き抜かれた。
「抜けた・・あれ?なんだろう、これ・・?」
シンはその木の棒を確かめた。それは先端が三又となっている槍だった。
「槍!?・・何でこんなものが!?」
シンが槍を見つめて声を荒げる。こんなものが頭に刺さっても死んでいなかったココロの不思議さも含めて。
「あ、あれ?ココロ、どうしたのでしょう・・?」
そのとき、ココロが周りをキョロキョロし始める。まるで何かに取り付かれていて、我に返ったかのように。
「ココロちゃん、元に戻ったんだね・・」
「あれ?シンさん、ココロ、何を・・?」
安堵の笑みを浮かべるシンに、ココロはきょとんとなる。
「これがココロちゃんの頭に刺さっていたんだよ・・」
シンがココロに槍を見せる。
「これ、どこかで見たことが・・・?」
「見覚えがあるのかい、ココロちゃん?」
首をかしげるココロに、シンがさらに訊ねる。
「もしかして、むーちゃんが来てるんじゃ・・」
「むーちゃん?」
ココロが口にした言葉に、シンが疑問符を浮かべる。
「ココロちゃん、むーちゃんって?」
「はい・・むーちゃんはココロのお友達なんです。ブログ妖精界でよく遊んだ仲なんです・・最近はあんまり会ったり連絡を取ったりしていませんでしたが・・」
シンの質問にココロが事情を説明する。
「そうか・・でもそのお友達のむーちゃんが、どうしてココロちゃんにこんな物騒なことをするんだ・・?」
「これはむーちゃんじゃなく、むーちゃんの使い魔のものです・・」
「むーちゃんの使い魔?」
「はい。むーちゃんはなかなか手が回らないとかで、使い魔たちに頼むことが多いんです・・」
シンの質問に答えていくココロ。シンはむーちゃんについて大方理解する。
「それでココロちゃんはどうしてあんな暗い感じになっていたんだ?あんなココロちゃん、初めて見たよ・・」
「はい・・実はココロ、スパムが苦手なんです・・・」
「スパム?そういえばアメリカのお菓子にそんな名前が・・」
「違います!迷惑メールともいうんです!」
ボケるシンにココロがツッコミを入れる。
「スパムはブログ妖精にとっては猛毒なんです。妖精界の森も、スパムで枯れてしまうんです・・」
「スパムか・・僕も迷惑していないといったらウソになっちゃうなぁ・・」
「それとむーちゃんは、本名はすーぱーむーちゃん。スパムの女王なんですよ。」
「なるほど、スパムの女王・・・スパムの女王!?」
ココロの発言にシンが驚きの声を上げる。
「スパムの女王だよ!そんなのと付き合って大丈夫なのかい、ココロちゃん!?」
「大丈夫ですよ。むーちゃんは口は悪いですが、ホントはすごく優しいんです。」
詰め寄るシンに、ココロは笑顔で弁解を言う。
「フフフフフ。あたしのことでずい分と会話を弾ませてるみたいね。」
そのとき、どこからか声が響いてきた。シンが窓のほうに振り返ると、その窓越しに数人の子供がいた。ただしその誰もが背中から悪魔のような翼が生えていた。
「な、何だ!?あ、悪魔!?」
その子供たちにシンが声を荒げる。子供たちは中に入れろといわんばかりに、体で窓を叩いていた。
「あれはむーちゃんの使い魔・・それじゃこの近くに・・」
ココロが周囲を見回す。するとシンの部屋のドアがゆっくりと開かれる。
そこにいたのは黒のドレス調の服を着た少女だった。彼女も窓の外にいる子供と同じく、背中から悪魔の翼が生えていた。
「久しぶりね、ココロ。ここがアンタの新しい居候先というわけね。」
少女は不敵な笑みを浮かべてココロに言いかけ、視線をシンに向ける。
「はじめまして、人間。あたしはスパムの女王、スーパーむーちゃん。」
「女王という割には、登場がものすごく地味なんだけど・・・」
高らかに名乗りをする少女、むーちゃんに、シンが呆れて肩を落とす。
「何よ、その顔は!?人間のくせに何様と思ってるのよ!?」
「いや、別に自分を偉そうに思ったことないから・・」
腹を立てたむーちゃんだが、シンは呆れるばかりだった。
「落ち着いて、むーちゃん。シンさんはいい人なんです。だからココロはシンさんのお世話をしていこうと決めたんです。」
そこへココロが声をかけるが、逆にむーちゃんが睨んできた。
「だいたい、あたしが1番ムカついてるのはココロ、アンタなのよ!」
「ええっ!?どうしてココロなんですかー!?」
「アンタはいつも食べてばっかり、飲んでばっかり!趣味と言い張る料理がまるでダメ!しかも反省全くなし!責任転嫁!うそつき!自己中!アンタをいじめ始めたらキリがなくなるわよ!」
「うう・・ひどいよ、むーちゃん・・久しぶりに会ったのに、悪口ばかり・・・」
むーちゃんに悪口を言われて涙目になり、ココロがシンにすがり付いてきた。
「全くアンタは・・いざというときの悪知恵は働くんだから・・・」
ココロの言動に、今度はむーちゃんが呆れる。だがすぐに自信を取り戻し、彼女はシンに指差す。
「とにかく、このココロとここまで付き合ってられるなんて、人間でありながら面白いわね。気に入ったわ・・あたし、これからアンタのところに遊びに来るからね。」
「は?何、人の断りなく勝手に決めてるんだよ!?」
「アンタの答えは聞いてない!・・ココロ、アンタの失敗ぶり、時々見に来るからね。」
シンの抗議に耳を貸さずに、むーちゃんはココロに言い放つ。そしてむーちゃんは使い魔たちとともに、シンの部屋から去っていった。
「何だったんだ、いったい・・・」
わけが分からなくなり、呆れ果てるシン。しかしココロは親友との再会に喜びを浮かべていた。
「よかったぁ・・またむーちゃんに会えました・・」
「ハァ・・この先、どうなっちゃうんだろうか・・・」
むーちゃんの登場で、ココロとシンの生活は新しい展開を迎えるのだった。
僕も妖精だからというのもあってか、訊ねてみようともしない。
だけどある日、ココロちゃんの友人(?)が、僕の前にやってくるとは・・・
大学とアルバイトから帰ってきたシン。そこで彼はとんでもない光景を目撃した。
彼の眼の前にいたココロは、いつものココロではなかった。いつもの明るさがまるで感じられず、眼も焦点があっていなかった。
「コ、ココロちゃん!?・・どうしたっていうんだ・・・!?」
シンが声をかけるが、ココロは無反応である。
「おかしい・・あまりにもおかしすぎる・・いつも元気なココロちゃんが、ここまで元気がないなんて・・・」
ココロの異変に困惑するシン。そのとき、シンはココロの頭に何かがついているのを発見する。木の棒のようだった
「あれは・・?」
シンはココロに近づき、その正体を確かめる。彼が近くにいるにもかかわらず、ココロは反応を示さない。
「ココロちゃん、ちょっとだけ我慢してて・・」
シンは呼びかけると、ココロの頭についている木の棒を引っ張る。彼が力を込めると棒は彼女から引き抜かれた。
「抜けた・・あれ?なんだろう、これ・・?」
シンはその木の棒を確かめた。それは先端が三又となっている槍だった。
「槍!?・・何でこんなものが!?」
シンが槍を見つめて声を荒げる。こんなものが頭に刺さっても死んでいなかったココロの不思議さも含めて。
「あ、あれ?ココロ、どうしたのでしょう・・?」
そのとき、ココロが周りをキョロキョロし始める。まるで何かに取り付かれていて、我に返ったかのように。
「ココロちゃん、元に戻ったんだね・・」
「あれ?シンさん、ココロ、何を・・?」
安堵の笑みを浮かべるシンに、ココロはきょとんとなる。
「これがココロちゃんの頭に刺さっていたんだよ・・」
シンがココロに槍を見せる。
「これ、どこかで見たことが・・・?」
「見覚えがあるのかい、ココロちゃん?」
首をかしげるココロに、シンがさらに訊ねる。
「もしかして、むーちゃんが来てるんじゃ・・」
「むーちゃん?」
ココロが口にした言葉に、シンが疑問符を浮かべる。
「ココロちゃん、むーちゃんって?」
「はい・・むーちゃんはココロのお友達なんです。ブログ妖精界でよく遊んだ仲なんです・・最近はあんまり会ったり連絡を取ったりしていませんでしたが・・」
シンの質問にココロが事情を説明する。
「そうか・・でもそのお友達のむーちゃんが、どうしてココロちゃんにこんな物騒なことをするんだ・・?」
「これはむーちゃんじゃなく、むーちゃんの使い魔のものです・・」
「むーちゃんの使い魔?」
「はい。むーちゃんはなかなか手が回らないとかで、使い魔たちに頼むことが多いんです・・」
シンの質問に答えていくココロ。シンはむーちゃんについて大方理解する。
「それでココロちゃんはどうしてあんな暗い感じになっていたんだ?あんなココロちゃん、初めて見たよ・・」
「はい・・実はココロ、スパムが苦手なんです・・・」
「スパム?そういえばアメリカのお菓子にそんな名前が・・」
「違います!迷惑メールともいうんです!」
ボケるシンにココロがツッコミを入れる。
「スパムはブログ妖精にとっては猛毒なんです。妖精界の森も、スパムで枯れてしまうんです・・」
「スパムか・・僕も迷惑していないといったらウソになっちゃうなぁ・・」
「それとむーちゃんは、本名はすーぱーむーちゃん。スパムの女王なんですよ。」
「なるほど、スパムの女王・・・スパムの女王!?」
ココロの発言にシンが驚きの声を上げる。
「スパムの女王だよ!そんなのと付き合って大丈夫なのかい、ココロちゃん!?」
「大丈夫ですよ。むーちゃんは口は悪いですが、ホントはすごく優しいんです。」
詰め寄るシンに、ココロは笑顔で弁解を言う。
「フフフフフ。あたしのことでずい分と会話を弾ませてるみたいね。」
そのとき、どこからか声が響いてきた。シンが窓のほうに振り返ると、その窓越しに数人の子供がいた。ただしその誰もが背中から悪魔のような翼が生えていた。
「な、何だ!?あ、悪魔!?」
その子供たちにシンが声を荒げる。子供たちは中に入れろといわんばかりに、体で窓を叩いていた。
「あれはむーちゃんの使い魔・・それじゃこの近くに・・」
ココロが周囲を見回す。するとシンの部屋のドアがゆっくりと開かれる。
そこにいたのは黒のドレス調の服を着た少女だった。彼女も窓の外にいる子供と同じく、背中から悪魔の翼が生えていた。
「久しぶりね、ココロ。ここがアンタの新しい居候先というわけね。」
少女は不敵な笑みを浮かべてココロに言いかけ、視線をシンに向ける。
「はじめまして、人間。あたしはスパムの女王、スーパーむーちゃん。」
「女王という割には、登場がものすごく地味なんだけど・・・」
高らかに名乗りをする少女、むーちゃんに、シンが呆れて肩を落とす。
「何よ、その顔は!?人間のくせに何様と思ってるのよ!?」
「いや、別に自分を偉そうに思ったことないから・・」
腹を立てたむーちゃんだが、シンは呆れるばかりだった。
「落ち着いて、むーちゃん。シンさんはいい人なんです。だからココロはシンさんのお世話をしていこうと決めたんです。」
そこへココロが声をかけるが、逆にむーちゃんが睨んできた。
「だいたい、あたしが1番ムカついてるのはココロ、アンタなのよ!」
「ええっ!?どうしてココロなんですかー!?」
「アンタはいつも食べてばっかり、飲んでばっかり!趣味と言い張る料理がまるでダメ!しかも反省全くなし!責任転嫁!うそつき!自己中!アンタをいじめ始めたらキリがなくなるわよ!」
「うう・・ひどいよ、むーちゃん・・久しぶりに会ったのに、悪口ばかり・・・」
むーちゃんに悪口を言われて涙目になり、ココロがシンにすがり付いてきた。
「全くアンタは・・いざというときの悪知恵は働くんだから・・・」
ココロの言動に、今度はむーちゃんが呆れる。だがすぐに自信を取り戻し、彼女はシンに指差す。
「とにかく、このココロとここまで付き合ってられるなんて、人間でありながら面白いわね。気に入ったわ・・あたし、これからアンタのところに遊びに来るからね。」
「は?何、人の断りなく勝手に決めてるんだよ!?」
「アンタの答えは聞いてない!・・ココロ、アンタの失敗ぶり、時々見に来るからね。」
シンの抗議に耳を貸さずに、むーちゃんはココロに言い放つ。そしてむーちゃんは使い魔たちとともに、シンの部屋から去っていった。
「何だったんだ、いったい・・・」
わけが分からなくなり、呆れ果てるシン。しかしココロは親友との再会に喜びを浮かべていた。
「よかったぁ・・またむーちゃんに会えました・・」
「ハァ・・この先、どうなっちゃうんだろうか・・・」
むーちゃんの登場で、ココロとシンの生活は新しい展開を迎えるのだった。
コメント
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ついにむーちゃん、参上!!ですか。どこぞのコゾーのような傍若無人(?)ぶりを発揮してくれておりました。しかしまあ、むーちゃんのおっしゃることもごもっとも。登場が地味なのもむーちゃんらしいや。それにしても、むーちゃんのヤリはそんな効果があったのか。それでココロをしばらく黙らすことも…やめてやれ。オモロくなくなるから。
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