ココロといっぱい #10「腹ペコココロ」
ココロSS第10話。
今回は食べ物絡みです。
今回は食べ物絡みです。
ココロは大のメロンソーダ好きである。
だがココロはメロンソーダをたくさん飲むばかりではない。
食べ物も種類問わずたくさん食べる。それも一時期、人間が本来食べるものではないものまで食べていたこともあった。
シンの心配をよそに、ココロはこの日もたくさん食事を取っていた。
「ごちそうさまでしたー♪」
この日の夜ご飯を済ませたココロ。その姿にシンは言葉をなくしていた。
ココロはその夜ご飯、2人前近くの量を食していた。しかもその前にポテトチップスとカップラーメンを食べきっていた。
「今日も美味しかったです♪これからも頑張っていきますよー♪」
ココロが満足げに声をかけていく。
「ココロちゃん・・その体のどこに、それだけ食べ物を入れられるんだ・・・」
「ココロの胃袋は宇宙です♪なんちゃって・・」
呆れ果てているシンに、ココロが冗談を口にする。
「僕と比較してもだ。肉体的にも年齢的にも、性別においても僕のほうが明らかにたくさん食べそうなものだ。いくら別腹があっても、それはデザートを食べるときのたとえだ。他の食べ物にはとても使えないことだって・・」
「人は見た目じゃない。ココロはそう思います。」
シンが苦言を呈するが、ココロは自信満々に言葉を返した。
「だからってココロちゃん、君は女の子なんだから・・そんなに食べたら太っちゃうって・・」
「シンさん、それレディーに失礼ですよ。でも大丈夫です。ココロは食べても太らない体質なんです。ココロもこの体質に感謝です。」
注意をするシンだが、ココロは自信を崩さない。
「・・・体も心配だけど、これだけ食べて、食費もバカにならないんじゃないかな・・」
「それも大丈夫です。ココロの収入は豊かですから♪」
さらに心配を口にするシンだが、ココロはこれも上機嫌に答える。彼女は夜にラジオの仕事もこなしており、その収入源も破格という噂が出ていた。
「たくさん食べて、たくさん頑張る。それがココロのモットーです♪」
元気に振舞うココロに、シンはかける言葉をなくしていた。
同じ頃、むーちゃんはあることを気にしていた。今、世間で話題となっているメタボである。
「むむむ・・ちょっとわき腹の辺りが気になってきたわね・・・」
むーちゃんがおなかをさすって、事の重大さを痛感する。
「少し運動でもしてみようかな・・でもココロには知られないようにしないと・・おなかが出てきたことも運動していることも、知られたらからかわれるに決まってるんだから・・」
むーちゃんがため息混じりに呟く。彼女は室内でできる軽めの運動を始める。
「ココロなんかになめられてたまるもんか!待ってなさいよ、ココロ!」
むーちゃんは意地を見せ付けると、ひたすら腹筋やストレッチをやりこむのだった。
部活の後に散歩をしながら買い食いをする。それがココロの日課になっていた。この日もハンバーガーのセットを持って、ココロはシンとともに公園を歩いていた。
「やっぱり水泳の後の食事は格別です♪」
ココロが満面の笑みを浮かべて、ハンバーガーを頬張る。
「あまり泳いでいるところを見かけないんだけどなぁ・・」
「シンさんが、ココロの泳いでいるところを見ていないだけです。」
「それじゃ、いつかプールに行くとするかな。温水プールだから、冬でも快適だよ。」
「うぅ・・でも温水でも冬にプールは寒いですよ・・」
「ココロちゃんの学校のプール、冬でもあったかいって言ってたじゃない。」
「人間界のプールよりもあったかいんです。やっぱり温水でも冬のプールは冷たいんです・・」
「とにかく1回行ってみよう。どうしても冷たくてダメなら、すぐに上がればいいだけだし。」
「でもでも、シンさん・・」
「それとも、脳天直撃シンチョップに付き合ったほうがいいのかなぁ~?」
シンがココロに向けて不気味な笑みを浮かべる。それを見てココロが気まずくなり、押し黙ってしまう。
2人は公園を抜けて商店街を進んでいく。その中で2人は、ある店の前で立ち止まった。
「あのお店、何かやってますね・・」
「30分以内に特盛りカレーを食べ切れれば、無料+賞金プレゼント・・」
ココロとシンが店の前にある立て札を読んでいく。その内容に、ココロは満面の笑顔を浮かべた。
「すばらしいじゃないですかー!これだけ食べられて、しかもお金がもらえるなんてー!」
歓喜の声を上げるココロに、シンが驚きを覚える。
「シンさん、やります!ココロ、チャレンジします!」
「えっ!?この特盛りカレー、10人前は軽くあるよ!ココロちゃんが食べられるわけが・・!」
「食べられます!ココロ、何度かそのくらいの量を食べたことがあるんです!」
呼び止めようとするシンだが、ココロは意気込みを見せてきた。言葉をかけることができなくなり、シンは唖然となった。
「それでは行きましょう、シンさん♪今回はココロがおごりますよー♪」
上機嫌で店に入っていくココロに、シンは肩を落とすしかなかった。
「いらっしゃいませー♪・・って!?」
2人の前に出てきた店員は、ココロとシンを見て顔を引きつらせた。彼女はむーちゃんだった。
「えっ!?むーちゃん!?」
「ココロ!?何でここにいるのよ!?」
声を荒げるココロとむーちゃん。しかし店内の様子を気にしたむーちゃんは冷静さを取り戻し、渋々2人をテーブルに案内する。
「あの、お店の前にあった特盛りカレーにチャレンジしたんですが・・」
「えっ?あのカレーに挑戦するのかい?やめといたほうがいいよ。今まで成功した人はいないし、失敗したら5000円のお支払いになるよ。」
ココロの申し出にコックが気まずそうに言いかける。しかしココロはやる気十分だった。
「大丈夫です♪ココロ、このくらい何でもないです♪」
「そうかい?後悔しても知らないよ・・」
コックは渋々ココロの注文を受ける。数分後、彼女の前に特盛りカレーが出てきた。見た目だけでもボリュームがあるのが分かり、見ただけでも満腹になりそうだった。
「それではいただきまーす♪」
計測開始と同時に、ココロは笑顔でそのカレーを食べ始める。始めから勢いよくカレーを頬張っていくココロに、シンもコックも唖然となっていた。
10分が経過しても、ココロの勢いは留まることがない。もはやシンは開いた口が塞がらなくなっていた。
「んんー♪とってもおいしいカレーですー♪」
なおも上機嫌に振舞うココロ。だが残り時間が10分になろうとしていたとき、カレーの残りがわずかとなっていたものの、ココロの勢いは遅くなっていた。
「ちょっときつくなってきたです・・・」
ココロが顔色を悪くしてきた。彼女の異変にシンが心配になる。
「だ、大丈夫、ココロちゃん・・・!?」
「シンさん、大丈夫です・・・ところで、メニューにメロンソーダがあるんですが、頼んでもいいですか・・・?」
シンの心配に答えると、ココロがコックに訊ねる。
「それは構わないけど、別料金になるよ・・」
「よかったです・・お願いします・・・」
こうしてココロの前に注文したメロンソーダが置かれた。彼女がメロンソーダを口にすると、満腹感による疲れが一気に吹き飛んだ。
「よーし!巻き返していきますよー!」
勢いを取り戻したココロが、ペースを上げてカレーを食していく。その勢いに、シンもコックも再び唖然となった。
そしてついにココロは、30分以内に特盛りカレーを食べ切ってしまった。
「やったー♪シンさん、食べ終わりましたー♪」
食べ終えたことに大喜びするココロ。そのそばでシンとコックは、開いた口が塞がらなくなっていた。
「ココロの胃袋は宇宙です♪」
上機嫌に言いかけるココロ。これだけのボリュームを食べられて、なおかつ収益まで得た自分に、彼女は誇らしげになっていた。
(何て子なのよ、ココロ・・・)
ココロの驚異的な食欲に、むーちゃんはキッチンで驚愕していた。
ところがその夜中、ココロは何度もトイレに行く羽目になった。大量にカレーを食べた反動がこのときになって訪れたのである。
(うぅ・・おなかの虫が怒ってます・・・)
次々に押し寄せる腹痛に苦しめられるココロ。だがその後も彼女の食欲旺盛は留まることを知らなかった。
だがココロはメロンソーダをたくさん飲むばかりではない。
食べ物も種類問わずたくさん食べる。それも一時期、人間が本来食べるものではないものまで食べていたこともあった。
シンの心配をよそに、ココロはこの日もたくさん食事を取っていた。
「ごちそうさまでしたー♪」
この日の夜ご飯を済ませたココロ。その姿にシンは言葉をなくしていた。
ココロはその夜ご飯、2人前近くの量を食していた。しかもその前にポテトチップスとカップラーメンを食べきっていた。
「今日も美味しかったです♪これからも頑張っていきますよー♪」
ココロが満足げに声をかけていく。
「ココロちゃん・・その体のどこに、それだけ食べ物を入れられるんだ・・・」
「ココロの胃袋は宇宙です♪なんちゃって・・」
呆れ果てているシンに、ココロが冗談を口にする。
「僕と比較してもだ。肉体的にも年齢的にも、性別においても僕のほうが明らかにたくさん食べそうなものだ。いくら別腹があっても、それはデザートを食べるときのたとえだ。他の食べ物にはとても使えないことだって・・」
「人は見た目じゃない。ココロはそう思います。」
シンが苦言を呈するが、ココロは自信満々に言葉を返した。
「だからってココロちゃん、君は女の子なんだから・・そんなに食べたら太っちゃうって・・」
「シンさん、それレディーに失礼ですよ。でも大丈夫です。ココロは食べても太らない体質なんです。ココロもこの体質に感謝です。」
注意をするシンだが、ココロは自信を崩さない。
「・・・体も心配だけど、これだけ食べて、食費もバカにならないんじゃないかな・・」
「それも大丈夫です。ココロの収入は豊かですから♪」
さらに心配を口にするシンだが、ココロはこれも上機嫌に答える。彼女は夜にラジオの仕事もこなしており、その収入源も破格という噂が出ていた。
「たくさん食べて、たくさん頑張る。それがココロのモットーです♪」
元気に振舞うココロに、シンはかける言葉をなくしていた。
同じ頃、むーちゃんはあることを気にしていた。今、世間で話題となっているメタボである。
「むむむ・・ちょっとわき腹の辺りが気になってきたわね・・・」
むーちゃんがおなかをさすって、事の重大さを痛感する。
「少し運動でもしてみようかな・・でもココロには知られないようにしないと・・おなかが出てきたことも運動していることも、知られたらからかわれるに決まってるんだから・・」
むーちゃんがため息混じりに呟く。彼女は室内でできる軽めの運動を始める。
「ココロなんかになめられてたまるもんか!待ってなさいよ、ココロ!」
むーちゃんは意地を見せ付けると、ひたすら腹筋やストレッチをやりこむのだった。
部活の後に散歩をしながら買い食いをする。それがココロの日課になっていた。この日もハンバーガーのセットを持って、ココロはシンとともに公園を歩いていた。
「やっぱり水泳の後の食事は格別です♪」
ココロが満面の笑みを浮かべて、ハンバーガーを頬張る。
「あまり泳いでいるところを見かけないんだけどなぁ・・」
「シンさんが、ココロの泳いでいるところを見ていないだけです。」
「それじゃ、いつかプールに行くとするかな。温水プールだから、冬でも快適だよ。」
「うぅ・・でも温水でも冬にプールは寒いですよ・・」
「ココロちゃんの学校のプール、冬でもあったかいって言ってたじゃない。」
「人間界のプールよりもあったかいんです。やっぱり温水でも冬のプールは冷たいんです・・」
「とにかく1回行ってみよう。どうしても冷たくてダメなら、すぐに上がればいいだけだし。」
「でもでも、シンさん・・」
「それとも、脳天直撃シンチョップに付き合ったほうがいいのかなぁ~?」
シンがココロに向けて不気味な笑みを浮かべる。それを見てココロが気まずくなり、押し黙ってしまう。
2人は公園を抜けて商店街を進んでいく。その中で2人は、ある店の前で立ち止まった。
「あのお店、何かやってますね・・」
「30分以内に特盛りカレーを食べ切れれば、無料+賞金プレゼント・・」
ココロとシンが店の前にある立て札を読んでいく。その内容に、ココロは満面の笑顔を浮かべた。
「すばらしいじゃないですかー!これだけ食べられて、しかもお金がもらえるなんてー!」
歓喜の声を上げるココロに、シンが驚きを覚える。
「シンさん、やります!ココロ、チャレンジします!」
「えっ!?この特盛りカレー、10人前は軽くあるよ!ココロちゃんが食べられるわけが・・!」
「食べられます!ココロ、何度かそのくらいの量を食べたことがあるんです!」
呼び止めようとするシンだが、ココロは意気込みを見せてきた。言葉をかけることができなくなり、シンは唖然となった。
「それでは行きましょう、シンさん♪今回はココロがおごりますよー♪」
上機嫌で店に入っていくココロに、シンは肩を落とすしかなかった。
「いらっしゃいませー♪・・って!?」
2人の前に出てきた店員は、ココロとシンを見て顔を引きつらせた。彼女はむーちゃんだった。
「えっ!?むーちゃん!?」
「ココロ!?何でここにいるのよ!?」
声を荒げるココロとむーちゃん。しかし店内の様子を気にしたむーちゃんは冷静さを取り戻し、渋々2人をテーブルに案内する。
「あの、お店の前にあった特盛りカレーにチャレンジしたんですが・・」
「えっ?あのカレーに挑戦するのかい?やめといたほうがいいよ。今まで成功した人はいないし、失敗したら5000円のお支払いになるよ。」
ココロの申し出にコックが気まずそうに言いかける。しかしココロはやる気十分だった。
「大丈夫です♪ココロ、このくらい何でもないです♪」
「そうかい?後悔しても知らないよ・・」
コックは渋々ココロの注文を受ける。数分後、彼女の前に特盛りカレーが出てきた。見た目だけでもボリュームがあるのが分かり、見ただけでも満腹になりそうだった。
「それではいただきまーす♪」
計測開始と同時に、ココロは笑顔でそのカレーを食べ始める。始めから勢いよくカレーを頬張っていくココロに、シンもコックも唖然となっていた。
10分が経過しても、ココロの勢いは留まることがない。もはやシンは開いた口が塞がらなくなっていた。
「んんー♪とってもおいしいカレーですー♪」
なおも上機嫌に振舞うココロ。だが残り時間が10分になろうとしていたとき、カレーの残りがわずかとなっていたものの、ココロの勢いは遅くなっていた。
「ちょっときつくなってきたです・・・」
ココロが顔色を悪くしてきた。彼女の異変にシンが心配になる。
「だ、大丈夫、ココロちゃん・・・!?」
「シンさん、大丈夫です・・・ところで、メニューにメロンソーダがあるんですが、頼んでもいいですか・・・?」
シンの心配に答えると、ココロがコックに訊ねる。
「それは構わないけど、別料金になるよ・・」
「よかったです・・お願いします・・・」
こうしてココロの前に注文したメロンソーダが置かれた。彼女がメロンソーダを口にすると、満腹感による疲れが一気に吹き飛んだ。
「よーし!巻き返していきますよー!」
勢いを取り戻したココロが、ペースを上げてカレーを食していく。その勢いに、シンもコックも再び唖然となった。
そしてついにココロは、30分以内に特盛りカレーを食べ切ってしまった。
「やったー♪シンさん、食べ終わりましたー♪」
食べ終えたことに大喜びするココロ。そのそばでシンとコックは、開いた口が塞がらなくなっていた。
「ココロの胃袋は宇宙です♪」
上機嫌に言いかけるココロ。これだけのボリュームを食べられて、なおかつ収益まで得た自分に、彼女は誇らしげになっていた。
(何て子なのよ、ココロ・・・)
ココロの驚異的な食欲に、むーちゃんはキッチンで驚愕していた。
ところがその夜中、ココロは何度もトイレに行く羽目になった。大量にカレーを食べた反動がこのときになって訪れたのである。
(うぅ・・おなかの虫が怒ってます・・・)
次々に押し寄せる腹痛に苦しめられるココロ。だがその後も彼女の食欲旺盛は留まることを知らなかった。
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