ココロといっぱい #15「酒飲みココロ」
ココロSS、第15話。
今回、ココロは間違ってお酒を飲んでしまいました・・・
今回、ココロは間違ってお酒を飲んでしまいました・・・
ココロはメロンソーダ好き。
特にその色と適度な刺激に目がない。
だがある日、その色と刺激のために、とんでもない騒動を巻き起こすことになる。
シンの通う大学でのゼミ。その仲間たちで、シンは飲み会に参加していた。
「今夜は豪勢に焼肉!しかも食べ放題コース!」
「それなら心置きなく、焼肉三昧できるってもんだー!」
シンのゼミ仲間であるダン、ヒデキが歓喜の声を上げる。同じくゼミ仲間のゲンも喜びを抑えられない様子だった。
「そしてお酒も飲める!最高の気分!」
「未成年も運転手もいないから、適度に飲めばオールOK!」
「ちょっと2人とも、あんまり調子に乗らないでくれよ・・」
上機嫌のダンとヒデキに、シンは呆れる。
「それではそろそろ乾杯をしようか。それからは無礼講ということで。」
ゲンの呼びかけにシンたちが頷き、それぞれのコップを手にする。
「それではみんな、今日までお疲れ様。乾杯!」
「かんぱーい!」
ゲンの音戸で乾杯をすると、シンたちは飲み物を口にする。全員がビールやサワーなどのアルコール類を頼んでいた。
(それにしても、ココロちゃんに話さなかったのは悪い気がするなぁ・・家で1人で留守番していればいいんだけど・・)
内心ココロのことを心配するシン。彼は遅くなるとしか伝えていなかった。
「シン、どうした?早い者勝ちだから、食べないとなくなるぞ。」
そこへヒデキが声をかけ、シンが我に返る。
「今日は無礼講だし、気にせずに食べるとするかな。」
「そうですよ。でないと焼肉さんに悪いですから♪」
シンが独り言を口にしたとき、それに答える声がかかった。それがゼミ仲間とは違う聞き覚えのある声だった。
「そこのお肉、焼けていますよ。」
「うん、ありがとう・・・って、ええっ!?」
そのとき、シンは思わず声を上げた。彼のそばにココロがいたのである。
「コ、ココロちゃん!?君がどうしてここに!?」
「焼肉のおいしいにおいに誘われたら、シンさんがいましたので・・エヘヘヘ・・・」
驚きをあらわにするシンに、ココロが照れ笑いを浮かべる。彼女の登場は、ダンたちの注目を集めることとなった。
「な、何だ、このかわいい子は!?」
「明らかに“萌え”を狙っているとしか思えないかわいらしさ・・・!」
「だだだ、誰なんだ、シン!?こんな子と知り合いなのか!?」
ダン、ヒデキ、ゲンがシンに向けて声を上げる。
「い、いや、これは、その・・・」
「ブログ妖精のココロです。シンさんの家で、人間界について勉強しています♪」
シンが言葉を詰まらせている隣で、ココロが自己紹介をする。余計なことを言われたと思ったシンが、さらに困惑する。
「な、な、何だとっ!?」
「シン、お前、この子とひとつ屋根の下で暮らしているのか!?」
「コイツ!こんなかわいい子と一緒に暮らすといういい思いをしておいて、しかもオレたちに内緒にするなんて!」
「まま、待てって!何もかもがいい思いというわけじゃないんだ・・・!」
ダンたちに問い詰められて、シンが慌てて弁解しようとする。しかしダンたちは納得しない。そればかりか聞き入れようとしない。
「でも、ここは一応は大人の食事会なんだけど・・」
「失礼ですよ。ココロは子供ではないです。それにお酒に関しては飲みませんから大丈夫です♪」
ヒデキが心配の声をかけるが、ココロは自信満々に答える。
「だけど、油っこいものばかりだよ。女の子にはきついんじゃないか?」
「大丈夫です。ココロは太らない体質なんですよ♪」
ゲンの心配にも、ココロは笑顔で答える。
「あーー!!!あれはーーー!!!」
そのとき、ココロが突然大声を上げた。その声にシンもダンも驚く。
「この色!この泡!メロンソーダですー♪」
ココロが目撃したものを指差し、その前までやってくる。
「あっ!それはメロンソーダじゃなくて・・!」
ゲンがとっさに呼び止めるが、ココロはその飲み物を口にしてしまった。
「メロンサワーなんだけど・・・」
ゲンが言いかけたときには、ココロは飲み物、メロンサワーを飲み干してしまった。直後、彼女の顔が一気に赤くなっていった。
「どうしたんでしょう・・・ココロ・・何だか気分が・・・」
ふらつき出して落ち着きがなくなるココロ。彼女の様子がおかしいことは、シンたちの目にも明らかだった。
「コ、ココロちゃん・・だ、大丈夫なの・・・?」
シンが恐る恐るココロに声をかけた。
「ちょっと!何よ、そのだらしのない態度は!?」
「えっ!?」
ココロが発した突然の言葉と口調に、シンが驚きを覚える。
「髪もボサボサ!シャツもシワがある!もう少しシャキッとしないとダメ!」
「コ、ココロちゃん・・いったいどうしたの・・・!?」
ビシッと指を指してくるココロに、シンだけでなく、ダンたちも唖然となる。
「あぁぁ・・・遅かった・・・」
そこへやってきたのはむーちゃんだった。普段の強気な態度は影を潜めていた。
「むーちゃん、ココロちゃん、どうしたんだよ・・・!?」
「ココロは・・実は酒乱なのよ・・・」
「酒乱・・酒乱!?」
むーちゃんが口にした言葉に、シンが声を荒げる。
「前にもメロンソーダと間違えてぶどう酒を飲んだことがあるのよ・・そしたらココロ、あんなふうになって・・・」
「そんな・・そんなことって・・・!?」
「ああなったら、頭に杭を打ち込んでも、ココロの酒乱は止まんない・・」
愕然となるシンとむーちゃん。
「君たちもご飯は栄養バランスを考えないとダメ!体を壊すよ!」
ココロはダンたちに説教を始めていた。ダンたちは何も言い返すことができずにいた。
「こうなったら、力ずくで眠らせるしかない・・・」
思い立ったシンが、ゆっくりとココロに近づく。そして必殺の、脳天直撃シンチョップを繰り出した。
だがココロがすぐさま振り返り、チョップを真剣白刃取りで受け止めてしまった。
「なっ!?」
「甘いよ!ココロに不意打ちを食らわせようとしてもそうはいかないんだから!」
驚愕するシンに、ココロが高らかと言い放つ。
そのとき、ココロが上から水を被った。むーちゃんの使い魔がバケツで運んできた水を、彼女にかけたのである。
「あ、あれ?・・いきなり、ねむねむ星人が・・・」
ココロがその場に倒れて寝てしまった。酔いがさめた勢いで眠ってしまったのである。
「ふぅ・・何とか落ち着いたわね・・」
「ココロちゃん・・まさかこんなことがあるなんて・・・」
安堵を浮かべるむーちゃんと、愕然となるシン。彼はココロの恐るべき秘密を、またひとつ知ることとなった。
恐るべき酒乱を見せ付けたココロを背負って、シンは先に飲み会を後にした。
その帰り道の途中で、ココロは眼を覚ました。
「あれ?・・ココロ、どうしたのでしょう・・・?」
「ココロちゃん、目が覚めたんだね・・・」
きょとんとなるココロに、シンが声をかける。
「ココロちゃん、はしゃぎすぎて、そのまま気を失ったんだよ・・だから僕がこうして背負って、今家に向かってる・・」
「そうだったのですか・・すみません、ココロのせいで・・」
「いいよ、いいよ。それよりも、帰ったら二次会だ。楽しい食事会にしようかな。」
「わーい♪料理はココロが作りますねー♪」
「それは絶対ダメ。」
「うぅ~・・・」
シンに却下されて落ち込むココロ。2人は家に戻り、食事会を楽しむのだった。
特にその色と適度な刺激に目がない。
だがある日、その色と刺激のために、とんでもない騒動を巻き起こすことになる。
シンの通う大学でのゼミ。その仲間たちで、シンは飲み会に参加していた。
「今夜は豪勢に焼肉!しかも食べ放題コース!」
「それなら心置きなく、焼肉三昧できるってもんだー!」
シンのゼミ仲間であるダン、ヒデキが歓喜の声を上げる。同じくゼミ仲間のゲンも喜びを抑えられない様子だった。
「そしてお酒も飲める!最高の気分!」
「未成年も運転手もいないから、適度に飲めばオールOK!」
「ちょっと2人とも、あんまり調子に乗らないでくれよ・・」
上機嫌のダンとヒデキに、シンは呆れる。
「それではそろそろ乾杯をしようか。それからは無礼講ということで。」
ゲンの呼びかけにシンたちが頷き、それぞれのコップを手にする。
「それではみんな、今日までお疲れ様。乾杯!」
「かんぱーい!」
ゲンの音戸で乾杯をすると、シンたちは飲み物を口にする。全員がビールやサワーなどのアルコール類を頼んでいた。
(それにしても、ココロちゃんに話さなかったのは悪い気がするなぁ・・家で1人で留守番していればいいんだけど・・)
内心ココロのことを心配するシン。彼は遅くなるとしか伝えていなかった。
「シン、どうした?早い者勝ちだから、食べないとなくなるぞ。」
そこへヒデキが声をかけ、シンが我に返る。
「今日は無礼講だし、気にせずに食べるとするかな。」
「そうですよ。でないと焼肉さんに悪いですから♪」
シンが独り言を口にしたとき、それに答える声がかかった。それがゼミ仲間とは違う聞き覚えのある声だった。
「そこのお肉、焼けていますよ。」
「うん、ありがとう・・・って、ええっ!?」
そのとき、シンは思わず声を上げた。彼のそばにココロがいたのである。
「コ、ココロちゃん!?君がどうしてここに!?」
「焼肉のおいしいにおいに誘われたら、シンさんがいましたので・・エヘヘヘ・・・」
驚きをあらわにするシンに、ココロが照れ笑いを浮かべる。彼女の登場は、ダンたちの注目を集めることとなった。
「な、何だ、このかわいい子は!?」
「明らかに“萌え”を狙っているとしか思えないかわいらしさ・・・!」
「だだだ、誰なんだ、シン!?こんな子と知り合いなのか!?」
ダン、ヒデキ、ゲンがシンに向けて声を上げる。
「い、いや、これは、その・・・」
「ブログ妖精のココロです。シンさんの家で、人間界について勉強しています♪」
シンが言葉を詰まらせている隣で、ココロが自己紹介をする。余計なことを言われたと思ったシンが、さらに困惑する。
「な、な、何だとっ!?」
「シン、お前、この子とひとつ屋根の下で暮らしているのか!?」
「コイツ!こんなかわいい子と一緒に暮らすといういい思いをしておいて、しかもオレたちに内緒にするなんて!」
「まま、待てって!何もかもがいい思いというわけじゃないんだ・・・!」
ダンたちに問い詰められて、シンが慌てて弁解しようとする。しかしダンたちは納得しない。そればかりか聞き入れようとしない。
「でも、ここは一応は大人の食事会なんだけど・・」
「失礼ですよ。ココロは子供ではないです。それにお酒に関しては飲みませんから大丈夫です♪」
ヒデキが心配の声をかけるが、ココロは自信満々に答える。
「だけど、油っこいものばかりだよ。女の子にはきついんじゃないか?」
「大丈夫です。ココロは太らない体質なんですよ♪」
ゲンの心配にも、ココロは笑顔で答える。
「あーー!!!あれはーーー!!!」
そのとき、ココロが突然大声を上げた。その声にシンもダンも驚く。
「この色!この泡!メロンソーダですー♪」
ココロが目撃したものを指差し、その前までやってくる。
「あっ!それはメロンソーダじゃなくて・・!」
ゲンがとっさに呼び止めるが、ココロはその飲み物を口にしてしまった。
「メロンサワーなんだけど・・・」
ゲンが言いかけたときには、ココロは飲み物、メロンサワーを飲み干してしまった。直後、彼女の顔が一気に赤くなっていった。
「どうしたんでしょう・・・ココロ・・何だか気分が・・・」
ふらつき出して落ち着きがなくなるココロ。彼女の様子がおかしいことは、シンたちの目にも明らかだった。
「コ、ココロちゃん・・だ、大丈夫なの・・・?」
シンが恐る恐るココロに声をかけた。
「ちょっと!何よ、そのだらしのない態度は!?」
「えっ!?」
ココロが発した突然の言葉と口調に、シンが驚きを覚える。
「髪もボサボサ!シャツもシワがある!もう少しシャキッとしないとダメ!」
「コ、ココロちゃん・・いったいどうしたの・・・!?」
ビシッと指を指してくるココロに、シンだけでなく、ダンたちも唖然となる。
「あぁぁ・・・遅かった・・・」
そこへやってきたのはむーちゃんだった。普段の強気な態度は影を潜めていた。
「むーちゃん、ココロちゃん、どうしたんだよ・・・!?」
「ココロは・・実は酒乱なのよ・・・」
「酒乱・・酒乱!?」
むーちゃんが口にした言葉に、シンが声を荒げる。
「前にもメロンソーダと間違えてぶどう酒を飲んだことがあるのよ・・そしたらココロ、あんなふうになって・・・」
「そんな・・そんなことって・・・!?」
「ああなったら、頭に杭を打ち込んでも、ココロの酒乱は止まんない・・」
愕然となるシンとむーちゃん。
「君たちもご飯は栄養バランスを考えないとダメ!体を壊すよ!」
ココロはダンたちに説教を始めていた。ダンたちは何も言い返すことができずにいた。
「こうなったら、力ずくで眠らせるしかない・・・」
思い立ったシンが、ゆっくりとココロに近づく。そして必殺の、脳天直撃シンチョップを繰り出した。
だがココロがすぐさま振り返り、チョップを真剣白刃取りで受け止めてしまった。
「なっ!?」
「甘いよ!ココロに不意打ちを食らわせようとしてもそうはいかないんだから!」
驚愕するシンに、ココロが高らかと言い放つ。
そのとき、ココロが上から水を被った。むーちゃんの使い魔がバケツで運んできた水を、彼女にかけたのである。
「あ、あれ?・・いきなり、ねむねむ星人が・・・」
ココロがその場に倒れて寝てしまった。酔いがさめた勢いで眠ってしまったのである。
「ふぅ・・何とか落ち着いたわね・・」
「ココロちゃん・・まさかこんなことがあるなんて・・・」
安堵を浮かべるむーちゃんと、愕然となるシン。彼はココロの恐るべき秘密を、またひとつ知ることとなった。
恐るべき酒乱を見せ付けたココロを背負って、シンは先に飲み会を後にした。
その帰り道の途中で、ココロは眼を覚ました。
「あれ?・・ココロ、どうしたのでしょう・・・?」
「ココロちゃん、目が覚めたんだね・・・」
きょとんとなるココロに、シンが声をかける。
「ココロちゃん、はしゃぎすぎて、そのまま気を失ったんだよ・・だから僕がこうして背負って、今家に向かってる・・」
「そうだったのですか・・すみません、ココロのせいで・・」
「いいよ、いいよ。それよりも、帰ったら二次会だ。楽しい食事会にしようかな。」
「わーい♪料理はココロが作りますねー♪」
「それは絶対ダメ。」
「うぅ~・・・」
シンに却下されて落ち込むココロ。2人は家に戻り、食事会を楽しむのだった。
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