ココロといっぱい #16「必殺ココロドリル」
ココロSSの第16話。
今回はあのココロの秘密が・・・
今回はあのココロの秘密が・・・
ココロには秘密がいっぱいある。
その極め付けが、彼女の帽子の中に隠されていた。
この日も料理に悪戦苦闘するココロ。またもや包丁で指を切ってしまい、涙目になる。
ココロは料理と掃除のときは、普段被っている帽子を外し、エプロンと三角巾を着けている。そして帽子は彼女の部屋の机の上に置いていた。
その帽子に、シンは疑問を感じていた。彼はその帽子にドリルが仕込まれていると聞かされていた。
その話をしたのはむーちゃんだった。
“ココロ、実はあの帽子の中からドリルを出してくるのよ。あたしもアレを見せられたときはビックリしたよ・・でも先生に内緒にしてるみたいだったし、弱みを握ってるからあたしはOKなのよね、フフフ・・”
自慢げに語りかけるむーちゃんを思い出すシン。その真意を確かめるべく、彼はココロの部屋に忍び込んだ。
「掃除と整理整頓はきちんとしているのに・・・料理もこのくらいうまくやれればいいのに・・・」
部屋を見回して思わず独り言を口にするシン。彼はようやく、ココロの帽子を手にすることができた。
「この中にドリル・・どうしてそんなものが帽子に・・・」
帽子を見回しながら、シンが呆れて肩を落とす。
「そもそも、ドリルなんて何に使うっていうんだ・・・?」
次々と湧き上がる疑問に首をかしげるシン。
「あの、シンさん・・ココロの部屋で何を・・・?」
そこへココロがやってきて、シンに声をかけてきた。
「コ、ココロちゃん!・・それは、その・・・」
突然声をかけられて、シンが動揺をあらわにする。
「わあああーーー!!!ダメです、シンさん!ココロの帽子!」
「どわあっ!包丁持ったまま飛び込んじゃダメだって!」
包丁を手にしたまま慌てて部屋に入ってくるココロに、シンがたまらず声を荒げた。
「ふぎゃっ!」
包丁を持ったまま出歩いていたため、シンから脳天直撃シンチョップを食らってしまったココロ。だが彼女は自分の帽子を取り戻していた。
「いったいどういうことなんだ、ココロちゃん?・・その帽子にドリルが入ってるって噂を聞いたんだけど・・・」
「うぅ・・もしかしてむーちゃんから聞きました・・・?」
疑問を投げかけるシンに、ココロが逆に聞き返す。その問いかけにシンが頷く。
「何でも取っておきだとか何とかで、学校で持っていくのが禁止されたとか・・・」
「先生には絶対に言わないで・・でないとココロ、今度こそ退学されてしまいます・・・」
呟きかけるシンに、ココロが涙目になって懇願してくる。するとシンが困り顔を浮かべる。
「まぁ、僕は言わないけど・・そんなドリル、何に使うっていうんだい・・・?」
「えっとまずは、護身用ですね・・人間界は楽しいことばかりですが、危ないこともあると聞きましたので・・」
シンの質問にココロが困惑しながら答える。
「それと非常用ですね・・いざというときに役に立ったりします。」
「いざというとき?」
「はい。例えば料理で包丁が切れないときに、代わりにドリルを使うんです。」
「ちょっと待て!料理のときにドリルを使ってるのか!?」
「エヘヘヘ。材料だけじゃなくて、まな板も机も削れちゃいましたけど・・・うっ!」
照れ笑いを見せたところで脳天直撃シンチョップをくらい、ココロが涙目になる。
「ドリルは工事とかに使うものなの!少なくても料理には絶対に使わない!」
「そんなこといったって、包丁の切れ味が・・・うっ!」
怒鳴るシンに言い訳すると、ココロは再び脳天直撃シンチョップを受ける。
「とにかくドリルを使うのは絶対ダメ!帽子からも外すんだ!」
「で、ですが・・・」
「言い訳禁止!すぐに外さないと、またチョップを叩き込むよ!」
「わ、分かりました・・・」
シンに強く言われてしまい、ココロはやむなくドリルを使わないことを約束した。
シンとの約束を果たしてから数日がたった。食事の買出しに、ココロはスーパーに向かっていた。
「シンさんに叱られてしまいました・・こうなったら腕によりをかけた料理で“汚名挽回”を・・」
「それをいうなら“汚名返上”よ、ココロ。」
意気込みを見せるココロに声をかけてきたのはむーちゃんだった。
「あ、むーちゃん♪」
「聞いたわよ、ココロ。アンタ、自慢のドリルを使うのを禁止されたんだって?」
上機嫌になったココロに、むーちゃんが勝気に言いかける。それを聞いて、ココロが言葉を詰まらせる。
「さすがのあたしも、アンタのドリルだけには手を焼かされたわね。妖精なのにそんな物騒なものを隠し持っていたなんて・・」
「うぅ・・意地悪ですよ、むーちゃん・・」
「フフフフ。そうよ。今のあたしはいつにも増して意地悪よ。反撃の手段を失ったアンタは、あたしにやられ放題になる・・・」
不満を膨らませるココロに、むーちゃんが勝ち誇る。
「さて、どんな意地悪をしてあげようかしら?使い魔を使って杭でつついてもいいし、あたしらしくスパムを送りつけてもいいし・・」
「や、やめてください、むーちゃん・・ココロをいじめないで・・・」
「今までの積年の恨みよ・・恨むならぶりっ子な自分を恨むのね・・」
困り顔を見せるココロに、むーちゃんが迫る。
「やめてください、むーちゃん・・でないとココロ、ドリル使っちゃいますよ・・・」
「何をいってるのよ?今のアンタにドリルは・・なっ!?」
言いかけるココロにむーちゃんが勝ち誇ったときだった。ココロの被っている帽子からドリルが飛び出してきた。
「そんな!?ドリルは禁止されてるはずじゃ・・!?」
「非常事態なのでいいのです!」
驚愕するむーちゃんに、ココロが強く言い放つ。彼女のドリルに恐れをなして、むーちゃんが慌てて逃げ出していった。
「ふぅ・・危ないところだったです・・・」
「本当に危ないのは誰なのかな、ココロちゃん・・・!?」
安堵の笑みを浮かべたところで、ココロが声をかけられる。彼女が振り返った先には、殺気に満ちたシンが立っていた。
「シ、シンさん!?」
「ドリルを使うのは禁止だっていったよね?・・ブログ妖精として、そんな危ないものを持ったらいけないって、昨日散々言ったはずだけど・・・!?」
驚くココロにシンが鋭く言いかける。
「もう1度お仕置きしないといけないみたいだね!」
「こうなったらココロドリルで迎撃を!」
怒りを爆発させたシンに対し、ココロはドリルの使用を敢行した。だが高速回転するドリルを、シンが繰り出した脳天直撃シンチョップが打ち砕いた。
「そ、そんな!?」
ココロの断末魔の叫びの直後、街に土煙が上がっていた。
シンのお仕置きによって、ココロのドリルは破損してしまった。ドリルを修復するまで、かなりの時間と費用がかかることとなった。
だがココロのドリルは、新しい活躍を見せることになるだろう?
その極め付けが、彼女の帽子の中に隠されていた。
この日も料理に悪戦苦闘するココロ。またもや包丁で指を切ってしまい、涙目になる。
ココロは料理と掃除のときは、普段被っている帽子を外し、エプロンと三角巾を着けている。そして帽子は彼女の部屋の机の上に置いていた。
その帽子に、シンは疑問を感じていた。彼はその帽子にドリルが仕込まれていると聞かされていた。
その話をしたのはむーちゃんだった。
“ココロ、実はあの帽子の中からドリルを出してくるのよ。あたしもアレを見せられたときはビックリしたよ・・でも先生に内緒にしてるみたいだったし、弱みを握ってるからあたしはOKなのよね、フフフ・・”
自慢げに語りかけるむーちゃんを思い出すシン。その真意を確かめるべく、彼はココロの部屋に忍び込んだ。
「掃除と整理整頓はきちんとしているのに・・・料理もこのくらいうまくやれればいいのに・・・」
部屋を見回して思わず独り言を口にするシン。彼はようやく、ココロの帽子を手にすることができた。
「この中にドリル・・どうしてそんなものが帽子に・・・」
帽子を見回しながら、シンが呆れて肩を落とす。
「そもそも、ドリルなんて何に使うっていうんだ・・・?」
次々と湧き上がる疑問に首をかしげるシン。
「あの、シンさん・・ココロの部屋で何を・・・?」
そこへココロがやってきて、シンに声をかけてきた。
「コ、ココロちゃん!・・それは、その・・・」
突然声をかけられて、シンが動揺をあらわにする。
「わあああーーー!!!ダメです、シンさん!ココロの帽子!」
「どわあっ!包丁持ったまま飛び込んじゃダメだって!」
包丁を手にしたまま慌てて部屋に入ってくるココロに、シンがたまらず声を荒げた。
「ふぎゃっ!」
包丁を持ったまま出歩いていたため、シンから脳天直撃シンチョップを食らってしまったココロ。だが彼女は自分の帽子を取り戻していた。
「いったいどういうことなんだ、ココロちゃん?・・その帽子にドリルが入ってるって噂を聞いたんだけど・・・」
「うぅ・・もしかしてむーちゃんから聞きました・・・?」
疑問を投げかけるシンに、ココロが逆に聞き返す。その問いかけにシンが頷く。
「何でも取っておきだとか何とかで、学校で持っていくのが禁止されたとか・・・」
「先生には絶対に言わないで・・でないとココロ、今度こそ退学されてしまいます・・・」
呟きかけるシンに、ココロが涙目になって懇願してくる。するとシンが困り顔を浮かべる。
「まぁ、僕は言わないけど・・そんなドリル、何に使うっていうんだい・・・?」
「えっとまずは、護身用ですね・・人間界は楽しいことばかりですが、危ないこともあると聞きましたので・・」
シンの質問にココロが困惑しながら答える。
「それと非常用ですね・・いざというときに役に立ったりします。」
「いざというとき?」
「はい。例えば料理で包丁が切れないときに、代わりにドリルを使うんです。」
「ちょっと待て!料理のときにドリルを使ってるのか!?」
「エヘヘヘ。材料だけじゃなくて、まな板も机も削れちゃいましたけど・・・うっ!」
照れ笑いを見せたところで脳天直撃シンチョップをくらい、ココロが涙目になる。
「ドリルは工事とかに使うものなの!少なくても料理には絶対に使わない!」
「そんなこといったって、包丁の切れ味が・・・うっ!」
怒鳴るシンに言い訳すると、ココロは再び脳天直撃シンチョップを受ける。
「とにかくドリルを使うのは絶対ダメ!帽子からも外すんだ!」
「で、ですが・・・」
「言い訳禁止!すぐに外さないと、またチョップを叩き込むよ!」
「わ、分かりました・・・」
シンに強く言われてしまい、ココロはやむなくドリルを使わないことを約束した。
シンとの約束を果たしてから数日がたった。食事の買出しに、ココロはスーパーに向かっていた。
「シンさんに叱られてしまいました・・こうなったら腕によりをかけた料理で“汚名挽回”を・・」
「それをいうなら“汚名返上”よ、ココロ。」
意気込みを見せるココロに声をかけてきたのはむーちゃんだった。
「あ、むーちゃん♪」
「聞いたわよ、ココロ。アンタ、自慢のドリルを使うのを禁止されたんだって?」
上機嫌になったココロに、むーちゃんが勝気に言いかける。それを聞いて、ココロが言葉を詰まらせる。
「さすがのあたしも、アンタのドリルだけには手を焼かされたわね。妖精なのにそんな物騒なものを隠し持っていたなんて・・」
「うぅ・・意地悪ですよ、むーちゃん・・」
「フフフフ。そうよ。今のあたしはいつにも増して意地悪よ。反撃の手段を失ったアンタは、あたしにやられ放題になる・・・」
不満を膨らませるココロに、むーちゃんが勝ち誇る。
「さて、どんな意地悪をしてあげようかしら?使い魔を使って杭でつついてもいいし、あたしらしくスパムを送りつけてもいいし・・」
「や、やめてください、むーちゃん・・ココロをいじめないで・・・」
「今までの積年の恨みよ・・恨むならぶりっ子な自分を恨むのね・・」
困り顔を見せるココロに、むーちゃんが迫る。
「やめてください、むーちゃん・・でないとココロ、ドリル使っちゃいますよ・・・」
「何をいってるのよ?今のアンタにドリルは・・なっ!?」
言いかけるココロにむーちゃんが勝ち誇ったときだった。ココロの被っている帽子からドリルが飛び出してきた。
「そんな!?ドリルは禁止されてるはずじゃ・・!?」
「非常事態なのでいいのです!」
驚愕するむーちゃんに、ココロが強く言い放つ。彼女のドリルに恐れをなして、むーちゃんが慌てて逃げ出していった。
「ふぅ・・危ないところだったです・・・」
「本当に危ないのは誰なのかな、ココロちゃん・・・!?」
安堵の笑みを浮かべたところで、ココロが声をかけられる。彼女が振り返った先には、殺気に満ちたシンが立っていた。
「シ、シンさん!?」
「ドリルを使うのは禁止だっていったよね?・・ブログ妖精として、そんな危ないものを持ったらいけないって、昨日散々言ったはずだけど・・・!?」
驚くココロにシンが鋭く言いかける。
「もう1度お仕置きしないといけないみたいだね!」
「こうなったらココロドリルで迎撃を!」
怒りを爆発させたシンに対し、ココロはドリルの使用を敢行した。だが高速回転するドリルを、シンが繰り出した脳天直撃シンチョップが打ち砕いた。
「そ、そんな!?」
ココロの断末魔の叫びの直後、街に土煙が上がっていた。
シンのお仕置きによって、ココロのドリルは破損してしまった。ドリルを修復するまで、かなりの時間と費用がかかることとなった。
だがココロのドリルは、新しい活躍を見せることになるだろう?
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