ココロといっぱい #18「ココロの映画」
ココロSSの第18話。
今回は映画館にやってきました。
今回は映画館にやってきました。
その日、ココロとシンは映画館を訪れていた。映画館は大型で、いくつもの作品が上映されていた。
「いっぱいありますね、シンさん・・どれを見たらいいのか・・・」
上映作品のリストを見回すココロ。
「今日はちょっと怖そうなのがいいかな。刺激がほしいところだし・・」
「それじゃ、あの“デビル妖精”を見ましょう。怖さと萌えのコラボレーションです♪」
シンの言葉にココロが同意する。こうして2人はチケットを買って、映画館に入っていった。
「楽しみですね、シンさん・・ココロ、今からドキドキしてしまいます・・・」
「そうだね・・僕も何だかドキドキしてきたよ・・・」
ココロとシンが映画の上映を心待ちにする。
そのとき、場内で突然おしゃべり声が響いてきた。その騒がしさにシンが眉をひそめる。
「何でしょう、シンさん?・・まだ、上映時間じゃないですよね・・・?」
「誰かがおしゃべりをしてるみたいだ・・・映画館で不謹慎な・・・」
不安を浮かべるココロと、不満を浮かべるシン。騒ぎのしているほうに、2人が近づいていく。
そこにいたのは、むーちゃんとその使い魔たちだった。
「むーちゃん!?」
「えっ!?ココロ!?」
ココロとむーちゃんが対面して驚きの声を上げる。
「むーちゃんも映画を見に来てたんですね♪よかったですー♪」
「何でココロがここにいるのよ!?せっかくのんびり映画を見れると思ってたのに!」
喜びを見せるココロに、むーちゃんが不満を見せる。
「あーあ、あたしの映画鑑賞が台無しよ!どうしてくれるのよ、ココロ!?」
「映画を台無しにしているのは君のほうだよ、むーちゃん・・・!」
不満を浮かべるむーちゃんを、シンが睨みつけてきた。
「何よ?あたしが何をしたっていうのよ・・・!?」
「何をしたって、おもいっきりマナー違反してるじゃないか!上映中のおしゃべりをするな!」
「だって面白そうな映画じゃないの!この喜びを見せないでどうすんのよ!」
「自分勝手におしゃべりしちゃダメ!そんなにおしゃべりしたいなら、ロビーですればいいんだよ!」
「別にいいじゃないのよ、もう・・・」
叱り付けるシンに押し切られて、むーちゃんは渋々黙ることにした。
「上映中のおしゃべりはお控えください。」
映画本編前に流れる宣伝。それを見ながら、ココロとシンは映画の上映を待ちわびていた。
そのとき、どこからか呼び出し音が鳴り出した。その音にシンが不満を覚える。
「誰だ、こんなときに携帯電話を鳴らすなんて・・・」
シンは苛立ちながら、携帯電話を鳴らしている人を探す。
「はーい、もしもーし。今、映画見てるんだけどー。」
その人物はむーちゃんだった。彼女は周りを気にすることなく、のん気に電話をしていた。
「ちょっと、むーちゃん!何をやっているんだ!?」
「ちょっと人間、電話してんだから静かにしてよね・・」
「静かにしなくちゃいけないのはむーちゃんだよ!上映中の携帯電話の使用は禁止なんだよ!」
「いいじゃないのよ。どこでもかけられる携帯電話なんだからさー・・」
「もし呼び出し音や話し声がしたら、映画の雰囲気が台無しじゃないか!しっかりと電源を切って、鳴らないようにするんだよ!」
「わ、分かったわよ。しょうがないわねぇ・・・」
シンに言いとがめられて、むーちゃんはやむなく携帯電話の電源を切って、ポケットにしまった。
「上映中は携帯電話の電源をお切りください。」
「ふぅ・・これでようやく落ち着いて見れるよ・・・」
安堵を浮かべて映画に集中するシン。だがココロがおかしなことをしていることに気付く。
ココロは上映されている映画を、ビデオカメラで撮影していた。
「ちょっとココロちゃん!何をしているんだ!?」
「何をって、映画を思い出として残しておこうと・・」
「そんなことしたらダメだって!法律違反だよ!」
「お客さんには迷惑はかかっていないですよ。」
「映画を作った人に迷惑がかかるんだよ!すぐに撮るのをやめるんだ!」
「うぅ・・分かりました・・・」
シンに注意されて、ココロは残念そうにビデオカメラをしまった。
「上映中の作品の撮影、録音は禁止です。」
迫力のある映画に、緊張の覚めないシン。声が出そうになるのを、彼は必死にこらえていた。
(本当にすごい迫力だ・・煙が画面から出てきている・・・)
さらに興奮を覚えるシン。だが煙がやけにリアルに感じられて、彼は違和感を覚えた。
(おかしいな・・この煙・・・えっ!?)
周囲を見回したシンが、よからぬ光景を目の当たりにする。ココロが近くで料理を行っていたのである。
「ちょっとココロちゃん!何やってるの、こんなところで!?」
「あ、シンさん♪せっかくの映画ですので、手料理を作って、食べながら見ようと思いまして♪」
怒鳴りかけるシンに、ココロが上機嫌に答える。
「劇場内は火気厳禁!もし火事でも起こしたらどうするんだよ!?」
「大丈夫です♪ココロ、火の扱い方は十分に・・」
怒号を放つシンだが、ココロは悪びれる様子もなく料理を続けようとする。そのとき、劇場内に設置されているスプリンクラーが、料理で発せられた煙を感知してシャワーを発した。
「まずい!火事だと感知したんだ!」
緊急事態に陥ってパニックになるシンと、館内に鳴り響く避難のベル。観客が慌てて外に飛び出していった。
騒ぎが沈静化してから、係員からこっぴどく叱られ、シンとココロはひらすら謝ることしかできなかった。
「場内は禁煙です。」
様々な騒動を引き起こしながらも、ココロとシンは映画を見終わることができた。
「ドキドキのシーンばかりでしたけど、楽しく見れました♪」
「僕は違うドキドキで冷や汗をかいちゃったよ・・・」
上機嫌のココロと、問題の多さに落ち込むシン。むーちゃんも映画の内容に満足げの様子だった。
映画館から出ようとしたシンだが、あるものを眼にして足を止めた。
映画館のグッズ販売コーナーで、ココロのグッズが売り出されていたのだ。
「えっ!?ココロちゃんのパン缶や絵はがき、キーホルダーまで!?」
なぜココロをかたどったグッズが売られているのか分からず、シンが驚きを隠せなくなる。
「どういうことなの、ココロちゃん!?どうしてココロちゃんのグッズがここに!?」
「実はココロ、ちょっとだけですがあの映画に出ていたんです♪ホントにちょっとでしたので、見逃すと分からなかったと思いますよ♪」
問い詰めてくるシンに、ココロが上機嫌で答える。
「それでココロの人気もアップしてきていますし、グッズを売り出せばもっと人気がアップするかと・・」
「そんなので人気が出るわけないだろ!」
「うわちゃっ!」
怒ったシンの脳天直撃シンチョップをお見舞いされるココロ。騒動があったものの、映画を楽しく見ることができた2人だった。
「いっぱいありますね、シンさん・・どれを見たらいいのか・・・」
上映作品のリストを見回すココロ。
「今日はちょっと怖そうなのがいいかな。刺激がほしいところだし・・」
「それじゃ、あの“デビル妖精”を見ましょう。怖さと萌えのコラボレーションです♪」
シンの言葉にココロが同意する。こうして2人はチケットを買って、映画館に入っていった。
「楽しみですね、シンさん・・ココロ、今からドキドキしてしまいます・・・」
「そうだね・・僕も何だかドキドキしてきたよ・・・」
ココロとシンが映画の上映を心待ちにする。
そのとき、場内で突然おしゃべり声が響いてきた。その騒がしさにシンが眉をひそめる。
「何でしょう、シンさん?・・まだ、上映時間じゃないですよね・・・?」
「誰かがおしゃべりをしてるみたいだ・・・映画館で不謹慎な・・・」
不安を浮かべるココロと、不満を浮かべるシン。騒ぎのしているほうに、2人が近づいていく。
そこにいたのは、むーちゃんとその使い魔たちだった。
「むーちゃん!?」
「えっ!?ココロ!?」
ココロとむーちゃんが対面して驚きの声を上げる。
「むーちゃんも映画を見に来てたんですね♪よかったですー♪」
「何でココロがここにいるのよ!?せっかくのんびり映画を見れると思ってたのに!」
喜びを見せるココロに、むーちゃんが不満を見せる。
「あーあ、あたしの映画鑑賞が台無しよ!どうしてくれるのよ、ココロ!?」
「映画を台無しにしているのは君のほうだよ、むーちゃん・・・!」
不満を浮かべるむーちゃんを、シンが睨みつけてきた。
「何よ?あたしが何をしたっていうのよ・・・!?」
「何をしたって、おもいっきりマナー違反してるじゃないか!上映中のおしゃべりをするな!」
「だって面白そうな映画じゃないの!この喜びを見せないでどうすんのよ!」
「自分勝手におしゃべりしちゃダメ!そんなにおしゃべりしたいなら、ロビーですればいいんだよ!」
「別にいいじゃないのよ、もう・・・」
叱り付けるシンに押し切られて、むーちゃんは渋々黙ることにした。
「上映中のおしゃべりはお控えください。」
映画本編前に流れる宣伝。それを見ながら、ココロとシンは映画の上映を待ちわびていた。
そのとき、どこからか呼び出し音が鳴り出した。その音にシンが不満を覚える。
「誰だ、こんなときに携帯電話を鳴らすなんて・・・」
シンは苛立ちながら、携帯電話を鳴らしている人を探す。
「はーい、もしもーし。今、映画見てるんだけどー。」
その人物はむーちゃんだった。彼女は周りを気にすることなく、のん気に電話をしていた。
「ちょっと、むーちゃん!何をやっているんだ!?」
「ちょっと人間、電話してんだから静かにしてよね・・」
「静かにしなくちゃいけないのはむーちゃんだよ!上映中の携帯電話の使用は禁止なんだよ!」
「いいじゃないのよ。どこでもかけられる携帯電話なんだからさー・・」
「もし呼び出し音や話し声がしたら、映画の雰囲気が台無しじゃないか!しっかりと電源を切って、鳴らないようにするんだよ!」
「わ、分かったわよ。しょうがないわねぇ・・・」
シンに言いとがめられて、むーちゃんはやむなく携帯電話の電源を切って、ポケットにしまった。
「上映中は携帯電話の電源をお切りください。」
「ふぅ・・これでようやく落ち着いて見れるよ・・・」
安堵を浮かべて映画に集中するシン。だがココロがおかしなことをしていることに気付く。
ココロは上映されている映画を、ビデオカメラで撮影していた。
「ちょっとココロちゃん!何をしているんだ!?」
「何をって、映画を思い出として残しておこうと・・」
「そんなことしたらダメだって!法律違反だよ!」
「お客さんには迷惑はかかっていないですよ。」
「映画を作った人に迷惑がかかるんだよ!すぐに撮るのをやめるんだ!」
「うぅ・・分かりました・・・」
シンに注意されて、ココロは残念そうにビデオカメラをしまった。
「上映中の作品の撮影、録音は禁止です。」
迫力のある映画に、緊張の覚めないシン。声が出そうになるのを、彼は必死にこらえていた。
(本当にすごい迫力だ・・煙が画面から出てきている・・・)
さらに興奮を覚えるシン。だが煙がやけにリアルに感じられて、彼は違和感を覚えた。
(おかしいな・・この煙・・・えっ!?)
周囲を見回したシンが、よからぬ光景を目の当たりにする。ココロが近くで料理を行っていたのである。
「ちょっとココロちゃん!何やってるの、こんなところで!?」
「あ、シンさん♪せっかくの映画ですので、手料理を作って、食べながら見ようと思いまして♪」
怒鳴りかけるシンに、ココロが上機嫌に答える。
「劇場内は火気厳禁!もし火事でも起こしたらどうするんだよ!?」
「大丈夫です♪ココロ、火の扱い方は十分に・・」
怒号を放つシンだが、ココロは悪びれる様子もなく料理を続けようとする。そのとき、劇場内に設置されているスプリンクラーが、料理で発せられた煙を感知してシャワーを発した。
「まずい!火事だと感知したんだ!」
緊急事態に陥ってパニックになるシンと、館内に鳴り響く避難のベル。観客が慌てて外に飛び出していった。
騒ぎが沈静化してから、係員からこっぴどく叱られ、シンとココロはひらすら謝ることしかできなかった。
「場内は禁煙です。」
様々な騒動を引き起こしながらも、ココロとシンは映画を見終わることができた。
「ドキドキのシーンばかりでしたけど、楽しく見れました♪」
「僕は違うドキドキで冷や汗をかいちゃったよ・・・」
上機嫌のココロと、問題の多さに落ち込むシン。むーちゃんも映画の内容に満足げの様子だった。
映画館から出ようとしたシンだが、あるものを眼にして足を止めた。
映画館のグッズ販売コーナーで、ココロのグッズが売り出されていたのだ。
「えっ!?ココロちゃんのパン缶や絵はがき、キーホルダーまで!?」
なぜココロをかたどったグッズが売られているのか分からず、シンが驚きを隠せなくなる。
「どういうことなの、ココロちゃん!?どうしてココロちゃんのグッズがここに!?」
「実はココロ、ちょっとだけですがあの映画に出ていたんです♪ホントにちょっとでしたので、見逃すと分からなかったと思いますよ♪」
問い詰めてくるシンに、ココロが上機嫌で答える。
「それでココロの人気もアップしてきていますし、グッズを売り出せばもっと人気がアップするかと・・」
「そんなので人気が出るわけないだろ!」
「うわちゃっ!」
怒ったシンの脳天直撃シンチョップをお見舞いされるココロ。騒動があったものの、映画を楽しく見ることができた2人だった。
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