ココロといっぱい #1「ブログ妖精ココロ」
ついに本日、「ブログ妖精ココロ」が1周年を迎えました。
これを記念しまして、良くも悪くも注目を集めているココロのSSを考案してみました。
これを記念しまして、良くも悪くも注目を集めているココロのSSを考案してみました。
都内某所。とあるアパートに住んでいる1人の大学生がいた。
井上(いのうえ)シン。いたって平凡な青年。成績も普通。まるで「普通」を絵に描いたような人間である。
しかしシンには、普通ではない一面をひとつ持ち合わせていた。
パソコン、漫画、アニメといったものが好き。いわゆるオタクである。
ブログではそれらにまつわることを適当に書いていることが多いが、彼は盛り上がりに欠けると思っていた。
この日もシンはブログの更新をしようとしていた。しかし立ち上げるネタが思いつかず、彼は困り顔を浮かべていた。
「ハァ・・ネタに困っちゃったぞ・・何書いたらいいのやら・・」
書くことが思いつかず、パソコンを置いている机に突っ伏すシン。
「弱っちゃったなぁ・・このままじゃまた開きが出ちゃうぞ・・・」
たまらずため息をつくシン。そんな中、彼はネットに表示されているメイドを眼にする。
「メイドかぁ・・メイドもいいけど、せめてお手伝いさんがほしいかなぁ。1人暮らしも楽じゃないからねぇ・・」
メイドを含めたお手伝いに対する想像を膨らませるシン。しかしそれは大金持ちか、漫画やアニメといったフィクションだから実現するもので、彼のような一般人に実現できるはずもない。
現実的なことを考えてしまい、シンは肩を落とした。
「人間、現実逃避はよくないってことなのかな・・」
再びため息をつきながら、シンがブログのネタを考えようとした。
そのとき、パソコンの画面が突然乱れ始めた。
「あ、あれ?故障!?そんなはずは・・だって新しく買い換えたばかりなのに・・もしかしてウイルス!?」
シンが慌しくパソコンを安定させようとした。その直後、画面からまばゆい光があふれ、彼はたまらず眼を伏せた。
しばらくして光が治まり、シンが閉ざしていた眼を開ける。その視界の中に入ってきたものに、彼は驚きを覚えた。
眼の前に1人の少女が立っていた。ただし彼女が着ていたのは日常で見かける衣服ではなく、アニメなどで見かける衣装だった。
「ここが人間の世界ですか。ココロのいた世界とは違うみたいですね・・」
少女が笑顔を浮かべたまま呟きかける。彼女を目の当たりにして、シンは唖然となっていた。
「はじめまして。ブログ妖精界から来ました、ブログ妖精のココロって言います。」
「えっ?ココロ?・・ブログ妖精・・!?」
自己紹介をする少女、ココロに、シンは疑問符を浮かべるばかりだった。
「もしかして僕、寝ぼけているとか・・ほっぺをつねってみたら分かるかも・・」
「ではココロがつねってあげます。ぎゅーっ!」
「イデデ!イデデ!・・・あれ?つねられて痛いから夢じゃない・・ホントにつねられたから幻じゃない・・温度差が微妙にあるから妄想でもない・・・君はホントに・・」
「だから言っているではないですか。ココロは正真正銘のブログ妖精なんですから・・」
未だに唖然となっているシンに、ココロが満面の笑みを見せていた。
「で、でもちょっと待って。ブログ妖精とかブログ妖精界とか、何が何だかさっぱりだよ・・」
「ココロたちブログ妖精は、元気のないブログを元気にするために頑張るのです。で、ブログ妖精界は文字通り、ココロたちの住んでいる世界です。」
「それで、そのブログ妖精の君が、どうして僕の家に・・?」
「はい♪ココロが人間の世界に来た理由は2つです。1つは先ほど言ったように、元気のないブログを元気にするため。もう1つは人間の世界について勉強するためです。」
「勉強?」
「人間の世界はブログ妖精界と違うところがいろいろあるみたいなので、ココロの知らないこともたくさんありますし・・」
疑問を投げかけるシンに、ココロが笑顔で説明する。
「で、ここに来たのは単なる偶然です。」
「ぐ、偶然・・・!?」
「はい。人間の世界とブログ妖精界の間には、ものすごい次元の歪みがあるのです。道を通すだけでも精一杯なくらいに・・でも戻るときはちゃんと戻れちゃうんです。どうしてかは分からないのですが・・」
苦笑いを浮かべるココロに、シンは唖然となるばかりだった。
「ともかく、ココロは勉強の意味も込めまして、あなたのお手伝いをさせていただきます。炊事、洗濯。家事全般、何でもやりますので♪」
「お手伝い・・てことはまるで、メイド・・・」
ココロの言葉を聞いて、シンが喜びを覚える。
「メイドとは違うけど、お手伝いさんという意味では、これもこれでアリかと・・これで多少辛さのあったロンリーライフも、少しぐらいは和らぐかも・・」
「あの、どうかしたのですか・・・?」
いろいろと考え込んでいたところでココロに声をかけられて、シンが我に返って苦笑いを浮かべる。
「あ~、ゴメンゴメン・・ちょっと考え事を・・・おっと。僕の名前、教えてなかったね。僕は井上シン。よろしく、ココロちゃん。」
「井上シンさん・・・ではシンさんと呼ばせていただきますね♪」
シンが自己紹介をすると、ココロが笑顔で答える。そして彼女は彼に向けて手を差し伸べてきた。
「これからよろしくお願いします、シンさん♪」
「ココロちゃん・・・うんっ♪」
ココロの声に、シンも笑顔で答える。彼は彼女の手を取り、握手を交わした。
「あ・・でも僕、僕だけの暮らしだけでも手一杯なのに、君の暮らしまで面倒見切れるかどうか・・」
「それなら心配要りません。ココロにはボーナスがあるのです。」
「ボーナス?」
「ブログ妖精として頑張っていると、ブログボーナスが発生してココロに支給されるのです。ですのでココロの面倒はココロで見れますので。シンさんは今までどおりの生活で大丈夫ですよ。」
「今までどおりって・・今のままがいいとはいいがたいんだけど・・」
説明するココロに、シンが苦笑いを浮かべた。
「あ、もう夜の12時ですね。早速ですがお休みさせていただきます。」
そのとき、時計を見たココロがシンに言いかける。既に時刻は12時に差しかかっていた。
「お、もうこんな時間か・・でも困ったぞ。ココロちゃんのための部屋がない・・ここ以外は風呂場、トイレ、物置ぐらい・・台所も顔洗いと歯磨きぐらいしか・・」
「そのことでしたら大丈夫です。もうココロの部屋はできてますから♪」
困り顔を浮かべるシンに、ココロが笑顔のまま答える。
「できてるって、そんな摩訶不思議なこと・・・ええっ!?」
その言葉に小バカな態度で返答したところ、視線を移したシンが驚きの声を上げる。彼の視線の先に扉ができており、その奥にはしっかりとした部屋が存在していた。
「いつの間に部屋が!?・・どうなってんの、コレ!?」
「ココロ専用です♪言ったじゃないですか。ブログ妖精界と人間の世界の間には次元の歪みがあると。」
「次元の問題なのか・・・!?」
「それではココロ、寝かせていただきます♪」
唖然となっているシンを横目に、ココロが自室に行く。彼が呆然となっている間に、ココロはパジャマに着替えて顔を見せてきた。羽織やナイトキャップまで、全てがピンク色のパジャマだった。彼女が抱えているまくらも。
「それではシンさん、おやすみなさーい♪」
ココロはシンに挨拶すると、自分の部屋のベットに入り込み、就寝した。驚きの連続に、シンは呆然とするばかりだった。
これがブログ妖精ココロの、シンとの生活が始まったのである。
井上(いのうえ)シン。いたって平凡な青年。成績も普通。まるで「普通」を絵に描いたような人間である。
しかしシンには、普通ではない一面をひとつ持ち合わせていた。
パソコン、漫画、アニメといったものが好き。いわゆるオタクである。
ブログではそれらにまつわることを適当に書いていることが多いが、彼は盛り上がりに欠けると思っていた。
この日もシンはブログの更新をしようとしていた。しかし立ち上げるネタが思いつかず、彼は困り顔を浮かべていた。
「ハァ・・ネタに困っちゃったぞ・・何書いたらいいのやら・・」
書くことが思いつかず、パソコンを置いている机に突っ伏すシン。
「弱っちゃったなぁ・・このままじゃまた開きが出ちゃうぞ・・・」
たまらずため息をつくシン。そんな中、彼はネットに表示されているメイドを眼にする。
「メイドかぁ・・メイドもいいけど、せめてお手伝いさんがほしいかなぁ。1人暮らしも楽じゃないからねぇ・・」
メイドを含めたお手伝いに対する想像を膨らませるシン。しかしそれは大金持ちか、漫画やアニメといったフィクションだから実現するもので、彼のような一般人に実現できるはずもない。
現実的なことを考えてしまい、シンは肩を落とした。
「人間、現実逃避はよくないってことなのかな・・」
再びため息をつきながら、シンがブログのネタを考えようとした。
そのとき、パソコンの画面が突然乱れ始めた。
「あ、あれ?故障!?そんなはずは・・だって新しく買い換えたばかりなのに・・もしかしてウイルス!?」
シンが慌しくパソコンを安定させようとした。その直後、画面からまばゆい光があふれ、彼はたまらず眼を伏せた。
しばらくして光が治まり、シンが閉ざしていた眼を開ける。その視界の中に入ってきたものに、彼は驚きを覚えた。
眼の前に1人の少女が立っていた。ただし彼女が着ていたのは日常で見かける衣服ではなく、アニメなどで見かける衣装だった。
「ここが人間の世界ですか。ココロのいた世界とは違うみたいですね・・」
少女が笑顔を浮かべたまま呟きかける。彼女を目の当たりにして、シンは唖然となっていた。
「はじめまして。ブログ妖精界から来ました、ブログ妖精のココロって言います。」
「えっ?ココロ?・・ブログ妖精・・!?」
自己紹介をする少女、ココロに、シンは疑問符を浮かべるばかりだった。
「もしかして僕、寝ぼけているとか・・ほっぺをつねってみたら分かるかも・・」
「ではココロがつねってあげます。ぎゅーっ!」
「イデデ!イデデ!・・・あれ?つねられて痛いから夢じゃない・・ホントにつねられたから幻じゃない・・温度差が微妙にあるから妄想でもない・・・君はホントに・・」
「だから言っているではないですか。ココロは正真正銘のブログ妖精なんですから・・」
未だに唖然となっているシンに、ココロが満面の笑みを見せていた。
「で、でもちょっと待って。ブログ妖精とかブログ妖精界とか、何が何だかさっぱりだよ・・」
「ココロたちブログ妖精は、元気のないブログを元気にするために頑張るのです。で、ブログ妖精界は文字通り、ココロたちの住んでいる世界です。」
「それで、そのブログ妖精の君が、どうして僕の家に・・?」
「はい♪ココロが人間の世界に来た理由は2つです。1つは先ほど言ったように、元気のないブログを元気にするため。もう1つは人間の世界について勉強するためです。」
「勉強?」
「人間の世界はブログ妖精界と違うところがいろいろあるみたいなので、ココロの知らないこともたくさんありますし・・」
疑問を投げかけるシンに、ココロが笑顔で説明する。
「で、ここに来たのは単なる偶然です。」
「ぐ、偶然・・・!?」
「はい。人間の世界とブログ妖精界の間には、ものすごい次元の歪みがあるのです。道を通すだけでも精一杯なくらいに・・でも戻るときはちゃんと戻れちゃうんです。どうしてかは分からないのですが・・」
苦笑いを浮かべるココロに、シンは唖然となるばかりだった。
「ともかく、ココロは勉強の意味も込めまして、あなたのお手伝いをさせていただきます。炊事、洗濯。家事全般、何でもやりますので♪」
「お手伝い・・てことはまるで、メイド・・・」
ココロの言葉を聞いて、シンが喜びを覚える。
「メイドとは違うけど、お手伝いさんという意味では、これもこれでアリかと・・これで多少辛さのあったロンリーライフも、少しぐらいは和らぐかも・・」
「あの、どうかしたのですか・・・?」
いろいろと考え込んでいたところでココロに声をかけられて、シンが我に返って苦笑いを浮かべる。
「あ~、ゴメンゴメン・・ちょっと考え事を・・・おっと。僕の名前、教えてなかったね。僕は井上シン。よろしく、ココロちゃん。」
「井上シンさん・・・ではシンさんと呼ばせていただきますね♪」
シンが自己紹介をすると、ココロが笑顔で答える。そして彼女は彼に向けて手を差し伸べてきた。
「これからよろしくお願いします、シンさん♪」
「ココロちゃん・・・うんっ♪」
ココロの声に、シンも笑顔で答える。彼は彼女の手を取り、握手を交わした。
「あ・・でも僕、僕だけの暮らしだけでも手一杯なのに、君の暮らしまで面倒見切れるかどうか・・」
「それなら心配要りません。ココロにはボーナスがあるのです。」
「ボーナス?」
「ブログ妖精として頑張っていると、ブログボーナスが発生してココロに支給されるのです。ですのでココロの面倒はココロで見れますので。シンさんは今までどおりの生活で大丈夫ですよ。」
「今までどおりって・・今のままがいいとはいいがたいんだけど・・」
説明するココロに、シンが苦笑いを浮かべた。
「あ、もう夜の12時ですね。早速ですがお休みさせていただきます。」
そのとき、時計を見たココロがシンに言いかける。既に時刻は12時に差しかかっていた。
「お、もうこんな時間か・・でも困ったぞ。ココロちゃんのための部屋がない・・ここ以外は風呂場、トイレ、物置ぐらい・・台所も顔洗いと歯磨きぐらいしか・・」
「そのことでしたら大丈夫です。もうココロの部屋はできてますから♪」
困り顔を浮かべるシンに、ココロが笑顔のまま答える。
「できてるって、そんな摩訶不思議なこと・・・ええっ!?」
その言葉に小バカな態度で返答したところ、視線を移したシンが驚きの声を上げる。彼の視線の先に扉ができており、その奥にはしっかりとした部屋が存在していた。
「いつの間に部屋が!?・・どうなってんの、コレ!?」
「ココロ専用です♪言ったじゃないですか。ブログ妖精界と人間の世界の間には次元の歪みがあると。」
「次元の問題なのか・・・!?」
「それではココロ、寝かせていただきます♪」
唖然となっているシンを横目に、ココロが自室に行く。彼が呆然となっている間に、ココロはパジャマに着替えて顔を見せてきた。羽織やナイトキャップまで、全てがピンク色のパジャマだった。彼女が抱えているまくらも。
「それではシンさん、おやすみなさーい♪」
ココロはシンに挨拶すると、自分の部屋のベットに入り込み、就寝した。驚きの連続に、シンは呆然とするばかりだった。
これがブログ妖精ココロの、シンとの生活が始まったのである。
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冒頭部、定石通りの展開をきっちりと書かれていますので、読み易くて良いと思いました。
摩訶不思議に出来たココロの部屋というのが面白いです。
引き続き#2~5もコメントさせていただきますね。