ココロといっぱい #20「お祭りココロ(その2)」
ココロSSの第20話。
今回も秋祭りです。
今回も秋祭りです。
秋祭りの2日目。その日もお祭りを楽しもうとするシンだが、朝からココロの姿が見えない。
「あれ?ココロちゃんがいない・・まさか僕を置いて先に行っちゃったのかな・・・」
困り顔を浮かべるシンだが、部屋を探してもココロはいない。
「今日もお祭りだっていうのに・・・僕も向こうに行って探してみるかな・・・」
肩を落とすシンは、ココロを探す意味も込めて街に出るのだった。
街では既にお祭りの賑わいが広がっていた。その人だかりを目の当たりにして、シンはさらに落ち込む。
「この中からとても探せるものじゃないって・・・」
困難を痛感しながらも、放っておくわけにいかず、シンはココロを探しに人込みの中に入っていった。だがそこで彼は驚きの光景を目撃する。
「おや?ココロと一緒にいる人間じゃないの。」
シンの姿を目撃したむーちゃんが声をかけてきた。彼女はなんと屋台を出していた。
「む、むーちゃん!?屋台を出したの!?」
シンがたまらず声を荒げる。むーちゃんは先日のようなご飯缶を屋台で売り出していた。
「せっかくのお祭りだからね。これに乗じてまた売り出そうってわけ。」
「それでまたご飯缶なの・・・ところでむーちゃん、ココロちゃんを知らない?もしかしたらここに来てるかもしれなくて・・」
シンは肩を落としながらも、むーちゃんに訊ねる。
「ココロ?あたしが知るわけないでしょ。あんなのが来たら、せっかくの売り物を全部買われちゃうじゃない。」
「そう・・そうだよね・・ココロちゃん、よく食べるしよく飲むし・・・」
不満げに答えるむーちゃんに、シンはただ苦笑いを浮かべるしかなかった。
「もしかしたら、食べ物をあさってるんじゃないの?そのくらい想像が付くわ。」
むーちゃんが商売を行いながら、シンに言いかける。
「そうかもしれない・・・でも食べ物の屋台だけでもけっこうあるから・・・えっ!?」
困り果てていたところで信じられない光景を目の当たりにして、シンが声を荒げる。
「どうしたのよ、いきなり?」
「む、むーちゃん・・あれ・・・」
疑問符を浮かべるむーちゃんにシンが指で指し示す。その先を見たむーちゃんも驚きを覚える。
そこではココロも屋台を出して、パン缶を販売していたのである。
「コ、ココロちゃん・・・!?」
「まさかココロも屋台を出してくるなんて・・・!」
声を荒げるシンと、呆れて肩を落とすむーちゃん。
「あっ!シンさん、むーちゃん♪」
そんな2人を見つけたココロが、2人の様子を気にすることなく笑顔で声をかけてきた。
「ココロちゃん、これって・・・」
「はい♪せっかくのお祭りですから、ココロのパンを売り出そうと思いまして♪」
困り果てているシンに、ココロが上機嫌に言いかける。
「やってくれるじゃないの、ココロ・・あくまでスパムの女王であるあたしに刃向かうってことなのね・・・!?」
「むーちゃん、何を言って・・・あれ?むーちゃんも屋台を出したんですね♪」
苛立ちを膨らませるむーちゃんに、ココロが喜びを見せる。
「だったら徹底的にやってやるわよ!今度こそアンタの鼻っ柱をへし折ってやる!」
「またむーちゃんのご飯缶を買いに行きますからね♪」
挑戦的な態度を見せるむーちゃんと、喜びの笑顔を見せるココロ。2人の会話が全くかみ合っておらず、シンは呆れ果ててしまっていた。
ご飯缶を売ることに躍起になるむーちゃん。彼女はココロに負けじと必死になっていた。
だがココロにはむーちゃんへの敵対心はなく、いつものスマイルを振りまきながらパン缶を売り出していた。だがむーちゃんはココロも自分を敵視しているものと思い込んでいた。
(ココロには絶対負けないわよ!少しでもココロよりも売り上げを上げてやるわよ!)
「いらっしゃい、いらっしゃい♪ご飯缶、おいしいよー♪」
ココロへの敵対心を押し隠して、むーちゃんが笑顔で接客をする。
「ありがとうございます♪また買ってくださいねー♪」
だがココロのパン缶のほうが徐々に勢いを増してきていた。
(まずいわね・・このままだと確実にうちが負けることになる・・何とかしないと・・・)
焦りを覚えたむーちゃんが、ココロ打倒のための作戦を模索する。
(こうなったらココロのやる気をなくさせる・・こういうシンプルなのも悪くないかも・・・)
思い立ったむーちゃんが、使い魔を向かわせた。使い魔はパン缶の売り出しに夢中になっていたココロの頭に、杭を打ち込んだ。
「あっ・・・!」
声を上げた直後、ココロがやる気をなくしてその場に座り込んでしまった。結果、パン缶を売り出す意欲とスマイルまで消えてしまった。
「あれ?どうしたの、ココロちゃん?」
「元気がなくなっちゃったみたいだよ・・・」
ココロの異変に周囲の人たちが困惑する。
「あの様子・・もしかしてココロちゃん・・・!」
思い立ったシンがココロに駆け寄る。彼女の頭にはむーちゃんの使い魔の杭が刺さっていた。
「やっぱり・・・抜かないと・・・!」
シンがココロから杭を抜き取る。するとココロが元気を取り戻した。
「あ、あれ?ココロ、何を・・・?」
「ふぅ・・むーちゃんの使い魔にやられたんだよ・・・」
困惑するココロにシンが説明する。
「むーちゃんが?・・・どうしてむーちゃんが・・・?」
「もしかして、ココロちゃんのパン缶の邪魔をしているんじゃ・・・」
困惑するココロとシン。だがココロはふと笑顔を見せてきた。
「きっとむーちゃん、ココロに急いでご飯缶を食べてほしいと言ってきているんですね♪」
「は?」
ココロの言葉にシンが唖然となる。
「分かりました!すぐに買いに行きますよー!ということでシンさん、店番をお願いしますね♪」
「ち、ちょっとココロちゃん!?」
ココロが喜びを膨らませながら、むーちゃんの屋台に駆け出していった。無理矢理店番を押し付けられて、シンは困り果てていた。
むーちゃんが施した策略は裏目に出た。やってきたココロによって、売りに出そうとしていたご飯缶を全て買い占められてしまった。
だが勝手に店番を押し付けられたシンから、ココロは脳天直撃シンチョップを食らうこととなった。
「おのれ、ココロ・・売り上げは高くついたけど、人気獲得が失墜に・・・」
ココロに人気を奪われて、むーちゃんはひどく落ち込んでいた。
何はともあれ、シンとともにお祭りを楽しんだココロだった。
「あれ?ココロちゃんがいない・・まさか僕を置いて先に行っちゃったのかな・・・」
困り顔を浮かべるシンだが、部屋を探してもココロはいない。
「今日もお祭りだっていうのに・・・僕も向こうに行って探してみるかな・・・」
肩を落とすシンは、ココロを探す意味も込めて街に出るのだった。
街では既にお祭りの賑わいが広がっていた。その人だかりを目の当たりにして、シンはさらに落ち込む。
「この中からとても探せるものじゃないって・・・」
困難を痛感しながらも、放っておくわけにいかず、シンはココロを探しに人込みの中に入っていった。だがそこで彼は驚きの光景を目撃する。
「おや?ココロと一緒にいる人間じゃないの。」
シンの姿を目撃したむーちゃんが声をかけてきた。彼女はなんと屋台を出していた。
「む、むーちゃん!?屋台を出したの!?」
シンがたまらず声を荒げる。むーちゃんは先日のようなご飯缶を屋台で売り出していた。
「せっかくのお祭りだからね。これに乗じてまた売り出そうってわけ。」
「それでまたご飯缶なの・・・ところでむーちゃん、ココロちゃんを知らない?もしかしたらここに来てるかもしれなくて・・」
シンは肩を落としながらも、むーちゃんに訊ねる。
「ココロ?あたしが知るわけないでしょ。あんなのが来たら、せっかくの売り物を全部買われちゃうじゃない。」
「そう・・そうだよね・・ココロちゃん、よく食べるしよく飲むし・・・」
不満げに答えるむーちゃんに、シンはただ苦笑いを浮かべるしかなかった。
「もしかしたら、食べ物をあさってるんじゃないの?そのくらい想像が付くわ。」
むーちゃんが商売を行いながら、シンに言いかける。
「そうかもしれない・・・でも食べ物の屋台だけでもけっこうあるから・・・えっ!?」
困り果てていたところで信じられない光景を目の当たりにして、シンが声を荒げる。
「どうしたのよ、いきなり?」
「む、むーちゃん・・あれ・・・」
疑問符を浮かべるむーちゃんにシンが指で指し示す。その先を見たむーちゃんも驚きを覚える。
そこではココロも屋台を出して、パン缶を販売していたのである。
「コ、ココロちゃん・・・!?」
「まさかココロも屋台を出してくるなんて・・・!」
声を荒げるシンと、呆れて肩を落とすむーちゃん。
「あっ!シンさん、むーちゃん♪」
そんな2人を見つけたココロが、2人の様子を気にすることなく笑顔で声をかけてきた。
「ココロちゃん、これって・・・」
「はい♪せっかくのお祭りですから、ココロのパンを売り出そうと思いまして♪」
困り果てているシンに、ココロが上機嫌に言いかける。
「やってくれるじゃないの、ココロ・・あくまでスパムの女王であるあたしに刃向かうってことなのね・・・!?」
「むーちゃん、何を言って・・・あれ?むーちゃんも屋台を出したんですね♪」
苛立ちを膨らませるむーちゃんに、ココロが喜びを見せる。
「だったら徹底的にやってやるわよ!今度こそアンタの鼻っ柱をへし折ってやる!」
「またむーちゃんのご飯缶を買いに行きますからね♪」
挑戦的な態度を見せるむーちゃんと、喜びの笑顔を見せるココロ。2人の会話が全くかみ合っておらず、シンは呆れ果ててしまっていた。
ご飯缶を売ることに躍起になるむーちゃん。彼女はココロに負けじと必死になっていた。
だがココロにはむーちゃんへの敵対心はなく、いつものスマイルを振りまきながらパン缶を売り出していた。だがむーちゃんはココロも自分を敵視しているものと思い込んでいた。
(ココロには絶対負けないわよ!少しでもココロよりも売り上げを上げてやるわよ!)
「いらっしゃい、いらっしゃい♪ご飯缶、おいしいよー♪」
ココロへの敵対心を押し隠して、むーちゃんが笑顔で接客をする。
「ありがとうございます♪また買ってくださいねー♪」
だがココロのパン缶のほうが徐々に勢いを増してきていた。
(まずいわね・・このままだと確実にうちが負けることになる・・何とかしないと・・・)
焦りを覚えたむーちゃんが、ココロ打倒のための作戦を模索する。
(こうなったらココロのやる気をなくさせる・・こういうシンプルなのも悪くないかも・・・)
思い立ったむーちゃんが、使い魔を向かわせた。使い魔はパン缶の売り出しに夢中になっていたココロの頭に、杭を打ち込んだ。
「あっ・・・!」
声を上げた直後、ココロがやる気をなくしてその場に座り込んでしまった。結果、パン缶を売り出す意欲とスマイルまで消えてしまった。
「あれ?どうしたの、ココロちゃん?」
「元気がなくなっちゃったみたいだよ・・・」
ココロの異変に周囲の人たちが困惑する。
「あの様子・・もしかしてココロちゃん・・・!」
思い立ったシンがココロに駆け寄る。彼女の頭にはむーちゃんの使い魔の杭が刺さっていた。
「やっぱり・・・抜かないと・・・!」
シンがココロから杭を抜き取る。するとココロが元気を取り戻した。
「あ、あれ?ココロ、何を・・・?」
「ふぅ・・むーちゃんの使い魔にやられたんだよ・・・」
困惑するココロにシンが説明する。
「むーちゃんが?・・・どうしてむーちゃんが・・・?」
「もしかして、ココロちゃんのパン缶の邪魔をしているんじゃ・・・」
困惑するココロとシン。だがココロはふと笑顔を見せてきた。
「きっとむーちゃん、ココロに急いでご飯缶を食べてほしいと言ってきているんですね♪」
「は?」
ココロの言葉にシンが唖然となる。
「分かりました!すぐに買いに行きますよー!ということでシンさん、店番をお願いしますね♪」
「ち、ちょっとココロちゃん!?」
ココロが喜びを膨らませながら、むーちゃんの屋台に駆け出していった。無理矢理店番を押し付けられて、シンは困り果てていた。
むーちゃんが施した策略は裏目に出た。やってきたココロによって、売りに出そうとしていたご飯缶を全て買い占められてしまった。
だが勝手に店番を押し付けられたシンから、ココロは脳天直撃シンチョップを食らうこととなった。
「おのれ、ココロ・・売り上げは高くついたけど、人気獲得が失墜に・・・」
ココロに人気を奪われて、むーちゃんはひどく落ち込んでいた。
何はともあれ、シンとともにお祭りを楽しんだココロだった。
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